秘境シャングリラ 俺の細道

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自作恋愛小説 HIMITSU 禁断の愛 2

前回の続きです。

吉雄には、ベトナムに残した妻がいた。

日本で妻のために働きに来ていたんですね。

果たして二人の関係は今後どのように?なっていくのか?




003-drhbinjuhn.jpg


※ 写真の女性は小説とは関係ありません。







10年ほど前の日本は、車製造工場が好景気に沸き、期間工場の仕事がたくさんあった。

労働者の多くは、期間限定のアルバイトだが、期間満了時に慰労金と失業保険給付も

受けられるところがあった。

住居の多くは、全寮制で食事も一部負担のほか、稼ぎのほとんどを預貯金に回すことが

できるほどだった。

しかし、ここ最近の日本は、不景気の影響か短期間雇用の仕事も少なくなり、吉雄

のように仕事探しで苦労を強いられる、労働者も多かった。

期間限定の雇用で働く労働者の多くは、決まった住居もなく、また生活の安定を求める

より、自分の自由な時間を求める人が多かった。

そのため1年間のうち半年は、日本で労働に明け暮れ、残りの半年は、海外に滞在する

者も多くいた。

吉雄もそんな中の一人だった。

特に決まった仕事もなく、海外から戻ると求人誌を眺め、半年ほどの労働に精を出して

いた。

しかし、その仕事さえもここ最近めっきり減り、吉雄は困惑を重ねる日々だった。

吉雄には、妻がすでにいた。

ベトナム北部地域に残してきた、若い妻がいた。

1年ほど前から、ベトナムの彼女の生家に同居人として同棲をしていた。

まだ正式に国際結婚をしたわけではなかったが、夫婦同然の暮らしをしていた。

吉雄の妻は、ベトナム北部山岳地域に多く暮らす、少数民族ザオ族だった。

普段は、洋服を着こなし、山岳民族衣装は行事、祝い事のときしか正装しなかった。

妻は、間口一坪ほどの小さな美容院を経営していた。

ハノイの中心街で美容の技術を習得したためか、ハイセンスなカット技術が地元民にも好評


だった。

一方、吉雄はベトナム人妻と食住をともにしながらも小さな

雑貨店を経営していた。

1年の間、飛行機代をかけてまでも、日本で半年働けば、充分すぎるほどの快適生活

は過ごせていた。

しかし、昨今の景気悪化が吉雄たちの身にも降りかかっていたのである。

半年ぶりに幼妻の顔を見るのが、怖くなるほどまとまったお金は、少なすぎた。

「やぁ、俺だ。今日これから仕事先の面接に行くよ。元気でいるか?」

妻は、最近買い換えた携帯電話をひと時も離さなかった。

吉雄からいつ、日本からの国際電話が掛かってくるかしれなかったからだ。

「日本は、寒くないの。?風邪ひかないようにね。浮気しないでよ。・・・・・」

冗談ともとれる、妻の電話口からの挨拶だった。

吉雄は、これから生まれてくるかもしれない、お腹の中のあかちゃんに、一部の不安

を抱きながらも期待もしていた。

「今度こそは、妊娠してくれればいい。・・」

吉雄の妻は、過去に離婚歴があった。前夫と別れた理由は彼も問い詰めなかった。

ただ、彼女のお腹にある手術跡の傷を見ると、別れた理由はこの傷にあるようだ。

ベトナムの医療技術が未だに、日進月歩であるように皮膚に食い込まれた傷跡が痛いたしい。

吉雄が創造するには、帝王切開をしたための傷であることは確かだった。

女性が帝王切開できるのは、2回まででその後は、母子とともに生命が危険な状態になる。

そのことを、吉雄の母から聞いていた彼は、半ば妻との子作りはあきらめかけていた。

妻の生命に危険を冒してまで子供を欲しくはなかった。

山岳民族特有の子孫繁栄の伝統なのか、前夫と別れた理由は、どうやらそのあたりに原因

があるようだった。

子供ができない妻は、子孫繁栄の家系に適さない。そう前夫の家族に断ち切られたのだろう。

そこまで妻に問い詰めなかった。

子供ができなければできないで、かまわないと一緒になる前に覚悟をしていた。

吉雄も過去に日本人妻がいた。しかし、ふたりの間には子供ができなかった。

前妻は、吉雄と結婚する前に付き合っていた彼氏との間に、妊娠したことがある事実が判明

していた。その話を聞いた時点で、吉雄にも子供ができないのではないか?という不安はあった。

そうかといって、病院で吉雄の精子を検査するまでには、いたらなかった。

「お互い様かもしれん。ふたり仲良く死ぬまで暮らせればそれだけで幸せだ。それ以上は求めない。

健康と快適さと居心地がよければもう満足だ。俺は、そのためにあえて日本に働きに来たんだ。」

錦糸町の駅を降りて、四ツ目通りを浅草方面に歩いていた。

ちょうど道路から枝道を入ると水商売の看板が、目に入った。

夕方近くになるにつれ、水商売の男性店員たちが、襟元をだらしなく着こなし、お店の前を箒で

清掃していた。

幸福警備は、コンクリート壁がはがれ落ちた、寂れたビルの5階にあった。

エレベーターを降りてまず目に飛び込んだのは、だらしがなく制服を着こなした中年警備員だった。

吉雄と目が合うと、にこりと笑みを浮かた。奥歯にも前歯にも数本かけ落ちた歯があった。

赤くピンク色がかった口の粘膜だけが、特に目立った。


「この警備員さん、生活が苦しいのではないだろうか?」

吉雄は、中年の警備員の風貌を見て、そう思わずにはいられなかった。

幸福警備会社のドアをノックし、中に入った。

机が4つほど、事務所の中央に向かい合わせに並べられ、だらしがなくイスに腰掛けている

警備員がふたりいた。

事務所の壁には大きな黒板ががかけてあった。

その白いキャンパスに、マジックインキで隊員の配置が管理されているようだった。

「さぁーどうぞ。奥のイスにかけてください。よくここの場所が迷わずにわかりましたね。」

声を掛けてきたこの弾性は、きちんと制服を着こなし、肩には金色に輝く記章がいくつも

取り付けてあった。

「私、幸福警備の山越と申します。一応 取締役を兼ねて、隊員の教育担当をしています。」

歯切れの良い、礼儀正しい言葉使いだった。

他の警備員ふたりは、ただだらしがなくイスに腰掛けて、挨拶もしない、それに対して対象的だった。

「私は、中村吉雄と申します。始めまして宜しくお願いします。この業界のことはまったくの

未経験なんですよ。だから少し不安です。

吉雄は、素直にありのままを山越取締役に伝えた。

「構いませんよ。うちの隊員の多くは、未経験者の入社がほとんどです。いくつか質問をいたします。

車の免許をお持ちですね。それと携帯電話をお持ちですか?」

「すみません。私ですね。10日ほど前にベトナムから来たばかりんですよ。実はですね、向こう

に妻がいます。まだ正式に結婚をしていません。半年ほど日本に出稼ぎに来たというわけです。

それでも大丈夫でしょうか?」

一指し指と中指で、ボールペンを器用に回しながら、取締役は答えた。

「もちろん、OKです。我々の業界はですね、。年間のうち、繁忙期とまったく仕事が薄いときと

両極端なんですね。ですからこれから来年の3月までが一応、繁忙期となってますよ。」


続。

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テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2012/07/24(火) 15:43:31|
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